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DSC_0914 拍手が鳴りやまない。スタンディングオベーション(全員総立ち)で5分以上は続いただろう。

 そこにはコロナでイベントが中止になっている最中に、OPERA座のダンサーが、決行してくれた感謝の意味も入っている。


 幕が開いた瞬間は息をのむ。
まるで絵画を見ているいやそれ以上の美しさ!お人形さんが動き出す如くの夢の世界へ連れて行ってくれる。
 「オネーギン」は大人の作品。
失恋した少女が、結婚し魅力的な女性になって、失恋させる(もっと複雑)話。
 物語の中に吸い込まれるように入っていく自分がいる。小説を読むよりも、この世界に自己投影が始まる。こんな経験をできるこの時間が最高に幸せだった。
 そして、真のバレエとは、こういうものだと新たに芸術の在り方を考えさせられた。
 ここに到達する人々はほんの一握り。踊れればいいという話ではない。正に選ばれた人々が、訓練と、鍛錬のみならず、頭と感性の良さ、センスと天性をフル活動で演じきっている。バレエの奥深さと到達点の高さを垣間見た。

 このような大人の作品、是非皆様にも観ていただきたい。

 しかし、会場を見渡すと、以前のように、私はバレエを習っていますという客層ではなくなってきている。 バレエという芸術を楽しもうとする、紳士淑女の姿が思った以上に多かった。日本がこのように円熟した社会になっていることを、痛感した。課題は、もっと若い人に見ていただけるようになることだ。

 それにしても、、、。あー幸せ。なんといっても、そこ(舞台)には王子とフランス人形がいるのだから。選ばれし者たちに乾杯!

 追、文化会館の舞台が狭いのか、(引っ越し公演で、オペラ座からドロップ(バックの絵)も運んでいる)樹の陰で踊るダンサーもいた。(ジゼル)ちょっとしか見えないのに、しっかり踊ってくれていた。宝塚がすごいのはね、一番後ろの端っこの人まできちっと踊っていることだよ、と聞いたことを思いだした。最後のスタンディングオベーションは、あの誰からも見えなくても精神誠意踊ってくれている気がしたダンサーに、感謝を持って拍手した。